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ペルソナをホームページ設計に活かす方法|情報整理と導線設計の4ステップ

ペルソナをホームページ設計に活かす方法|情報整理と導線設計の4ステップ

はじめに

これまでの連載では、ホームページリニューアルの前に考えるべきことを、目的設定とターゲット設定の観点からお伝えしてきました。

第4回では目的の決め方、第5回ではペルソナ(理想的な顧客像)の作り方をご紹介しました。ペルソナを作ることで、「誰に」情報を届けるべきかが明確になったのではないでしょうか。

では、ペルソナができた次は、どうするのでしょうか。せっかく作ったペルソナを、実際のサイト設計に活かせなければ意味がありません。

今回は、ペルソナをサイト設計に落とし込むための情報設計(IA)とコンテンツ戦略の考え方を解説します。

連載「ホームページリニューアルを考える前に読む全10回」 第6回
前回:第5回「ホームページのターゲット設定方法|ペルソナを作る3ステップ」
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情報設計(IA)とは何か

情報設計(Information Architecture、IA)とは、サイト内の情報を分類・整理し、名称や階層、ナビゲーション、ページ間のつながりを設計することです。訪問者が現在地を理解し、必要な情報へ迷わず進める状態をつくります。

建物に例えるなら、デザインが内装や外観にあたるのに対し、情報設計は間取りや動線設計に近いものです。どんなに美しい内装でも、間取りが迷路のような建物では住みづらい——それと同じで、情報設計が不十分だと、訪問者はどこに何があるか分からず、ストレスを感じて離脱してしまいます。

サイトマップと導線設計の違い

情報設計を進めるうえで、「サイトマップ」と「導線設計」は明確に区別する必要があります。

項目 サイトマップ 導線設計
定義 サイトに必要なページの一覧と階層 訪問者がどの順番でページを移動するかの設計
役割 何のページがあるかを整理する 訪問者を次の行動に導く
具体例 トップ>サービス>Web制作>料金 記事→事例→サービス→CTA→問い合わせ

サイトマップでページの全体像を整理したあと、実際に訪問者がどの順番で回遊するかを設計するのが導線設計です。メニューにページが存在していても、そこにたどり着く導線がなければ、訪問者には見つけてもらえません。

ペルソナをサイト設計に活かす4ステップ

ペルソナを具体的なサイト設計に落とし込むには、以下の4ステップで進めると効果的です。

ステップ1:ペルソナの行動シナリオを描く

まず、ペルソナがどのような経緯でサイトにたどり着き、何を知りたくて、どのタイミングで問い合わせるのか——その一連の流れを「行動シナリオ」として描きます。

前回の第5回で例に挙げた、製造業の社長「佐藤さん」のケースで考えてみましょう。

段階 佐藤さんの行動 サイトに必要な要素
課題認識 大口取引先の売上減少を受け、新規取引先の開拓が必要だと感じる
情報収集 「製造業 ホームページ制作」「金属加工 ホームページ 事例」などで検索 経営課題や業種別の悩みを解説する記事・業種別事例ページ
比較検討 複数の制作会社の実績や得意分野を比較し、自社に合うかを判断 実績一覧・料金・選ばれる理由・FAQ
意思決定 相談したいと感じ、問い合わせフォームへ 分かりやすいCTA・簡易なフォーム

このシナリオを描くことで、「どのタイミングで、どのページに、何を書くべきか」が明確になります。

また、ペルソナは最初から「ホームページを作りたい」と検索するとは限りません。「新規取引先を増やしたい」「採用応募を増やしたい」といった経営課題から情報収集を始める場合も多いため、サービス名だけでなく、課題に寄り添ったコンテンツも必要です。

ステップ2:サイトマップと導線を設計する

行動シナリオができたら、次はサイトマップと導線を設計します。ペルソナの行動段階に合わせて、ページの役割を整理するのがポイントです。

役割で見ると、ページは次のように分類できます。

役割 ページ例 目的
集客入口 ブログ記事、課題別ページ、広告LP 検索や広告から訪問者を呼び込む
課題理解 サービスページ、課題別解説ページ 自社のサービスが課題解決にどう役立つかを伝える
比較検討 事例一覧、料金、選ばれる理由、FAQ 他社との比較材料を提供し、信頼を築く
信頼形成 会社概要、スタッフ紹介、認証・資格、お客様の声 企業としての信頼性を高める
行動促進 問い合わせフォーム、資料請求、簡易診断申し込み 訪問者を次の行動へ導く

ここで重要なのは、「会社にとって見せたい順」ではなく、「ペルソナにとって知りたい順」で並べるという発想の転換です。各役割のページが相互にリンクし、訪問者の行動段階に合わせて自然と次のページへ進めるよう導線を設計します。

ステップ3:必要なコンテンツを洗い出す

サイトマップの大枠が決まったら、各ページに必要なコンテンツをリストアップします。このとき、ペルソナの「悩みや疑問」に答える形でコンテンツを設計するのが効果的です。

たとえば、「製造業向けホームページ制作」をテーマにする場合、以下のようなコンテンツが考えられます。

  • トップページ:製造業の課題解決に特化したメッセージ
  • 実績ページ:製造業の制作事例(制作前の課題、設計の考え方、変更内容、顧客評価)
  • サービスページ:製造業向けWeb制作の特徴と進め方
  • ブログ:「製造業 Web集客 成功事例」「山形 製造業 ホームページ」などのキーワード記事
  • 会社概要:製造業に強い理由や実績の総数

コンテンツを考えるときは、「このページを見たペルソナは、どう感じるか」「次の行動に移してもらえるか」という視点でチェックしましょう。ただし、成果数値は取得できる案件だけで掲載し、根拠の弱い数値を創作しないように注意が必要です。

ステップ4:成果を測る指標を決める

情報設計が正しかったかどうかは、公開後の行動データで確認します。ページを作っただけでは、訪問者が想定どおりに動いたかは分かりません。

以下のような指標を事前に決めておくと、公開後の改善がしやすくなります。

  • 課題解説記事から事例ページへの遷移率
  • 事例ページからサービスページへの遷移率
  • サービスページから問い合わせフォームへの到達率
  • 問い合わせフォームの完了率
  • 問い合わせ内容の有効性(商談化率)

想定した導線で進んでいない場合は、リンクの位置、見出し、CTA、ページ内容を見直します。情報設計は公開前に完成するものではなく、公開後のデータをもとに改善し続けるものです。

コンテンツ戦略の考え方

情報設計ができたら、次は中長期的な視点でのコンテンツ戦略を考えます。コンテンツ戦略とは、誰に、どのような情報を、何の目的で、どの形式・頻度・体制で届けるかを決める計画です。あわせて、閲覧数、ページ遷移、問い合わせ、商談化など、成果を確認する指標も決めておきます。記事を増やすこと自体ではなく、顧客の意思決定を支援し、事業成果につなげることが目的です。

検索ニーズからテーマを決める

ペルソナが検索しそうなキーワードをリストアップし、それに合わせてコンテンツを企画します。ブログ記事やコラムを定期的に更新することで、検索エンジンからの流入を増やせる可能性が高まります。ペルソナの検索行動に合わせたコンテンツを作ることで、自社のサービスと適合する見込み客からの流入を増やしやすくなります。

更新すべき情報と長く使える情報を分ける

更新頻度を増やすこと自体が目的ではありません。ただし、サービス内容、事例、採用情報、FAQなどが古いままでは、訪問者の判断材料として使えなくなります。

更新が必要な情報と、長期間使える情報を分けて運用することをおすすめします。

  • 定期的な更新が必要:ブログ記事、お知らせ、採用情報、事例の追加
  • 長く使える:サービス説明、会社概要、FAQの基本部分

運用担当と制作体制を決める

公開前に、以下の点を決めておくと、運用がスムーズに進みます。

  • どのくらいの頻度で更新するか(月1回、週1回など)
  • 誰が更新を担当するか(社内担当者 or 制作会社)
  • どのようなテーマで記事を書くか(ペルソナの悩みに沿ったテーマ一覧)
  • 情報の更新は誰が、いつ、どのように確認するか

情報発信の設計をしておくと、リニューアル後に「作って終わり」にならず、サイトを継続的に成長させられます。

よくある質問

Q1. 情報設計はどのタイミングで行うべきですか?

目的とターゲットが決まった後、デザインに入る前のタイミングが最適です。理想的な流れは以下のとおりです。

  1. 目的の設定
  2. ターゲット(ペルソナ)の設定
  3. 行動シナリオの設計
  4. 情報設計(サイトマップと導線)
  5. コンテンツ設計
  6. デザイン・制作
  7. 公開
  8. 計測・改善

この流れを意識しておくと、各工程で迷いが減り、手戻りも最小限に抑えられます。

Q2. サイトマップはどの程度細かく作るべきですか?

最初は大まかなページ単位(トップページ、サービスページ、実績一覧、会社概要、お問い合わせなど)で十分です。ただし、トップページ、主要サービスページ、問い合わせ導線など、成果に直結するページは、制作前に掲載情報とページ内の順序まで整理しておく必要があります。細かいコンテンツの配置は、サイト全体のバランスを見ながら個別に検討していくとよいでしょう。

Q3. コンテンツが不足している場合、どうすれば?

既存の資料やお客様からよく受ける質問をコンテンツ化するのが、効率的な方法のひとつです。また、以下のような社内にある情報も、有効なコンテンツの種になります。

  • 営業担当者が商談でよく説明している内容
  • お客様が不安に感じる点やよく聞かれる質問
  • 失注理由や競合と比較して選ばれた理由
  • 検索クエリのデータ(Googleサーチコンソールなどから取得)
  • 問い合わせ履歴や商談記録

最初から完璧を目指さず、公開後に改善を重ねていくスタンスが現実的です。

まとめ:情報設計がサイトの成否を分ける

情報設計とコンテンツ戦略は、一見すると地味な作業ですが、サイトの成否を左右する重要な要素です。どれだけ見た目が美しいデザインでも、訪問者が迷うサイトでは、問い合わせや採用応募にはつながりにくいものです。

今回ご紹介した4ステップ(行動シナリオ→サイトマップと導線→コンテンツ洗い出し→KPI設定)を参考に、ペルソナを実際のサイト設計に落とし込んでみてください。ペルソナの視点で情報を整理するだけで、サイト構成の判断基準が明確になります。

次回は、「デザインに求めるべきこと」についてお伝えします。情報設計の次は、その情報をどう視覚的に伝えるか——つまりデザインの役割について考えます。

関連事例

情報設計や導線設計を見直し、訪問者が必要な情報を探しやすい構成へ再設計した事例をご紹介します。

  • 株式会社丸勘山形青果市場様 企業サイト——企業情報、事業内容、採用情報の情報階層を整理。企業情報、事業内容、採用情報の階層を整理し、ターゲット別の入口を設けることで、必要な情報を探しやすい構成へ見直しました。
  • 東日本エンジニアリング株式会社様——取引先の購買担当者をペルソナに据え、案件情報と企業情報の導線を分離。必要な情報にたどり着きやすいサイト構成へ改善しました。

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